2015年6月2日火曜日

“車のドア”で大事故になるケースも! 衝突による後遺障害&賠償事例

 車のドアは、時に人を傷つける可能性がある。現に先月、愛知県の女性が勢いよくドアを開け、それが原因で母親が倒れて死亡したとされる事故も発生している。生身の歩行者は、特に注意すべきといえるだろう。過去には、突然開いた車のドアに自転車が衝突し、転倒して後遺障害が残ってしまった事例もある。


<事故内容>
 2007年12月26日午後、宮城県仙台市で、自転車が走っていたところに停まっていた乗用車の助手席ドアが突然開き、衝突。転倒して後遺障害が残った。

<判決>
 この事故においては、乗用車のドライバーが損害賠償責任を負うこととされた。本来ドライバーには、「同乗者が助手席等のドアを開ける際は後方をよく確認させる」という注意義務があるため、それを怠ったことが事故原因とされたのだ。

 被害に遭った自転車側は、乗用車側に約1360万円の賠償を求めた。判決では「本件事故と原告が主張する後遺症状との因果関係が、いまだ医学的に証明することが可能な程度にまで達しているとはいえないが、医学的に説明が可能な程度には達しているというべき」として、乗用車側に約310万円の賠償が命じられた(2011年11月29日仙台地裁判決)。

 後遺障害を負った場合、これまで通りの生活は難しくなるだろう。回避するためには、日頃から十分注意することが大切だ。また、ドライバー側も、自身が気を付けるのはもちろん、同乗者がドアを開ける際はしっかり周囲を確認させることを肝に銘じよう。

監修/新橋IT法律事務所 弁護士・谷川徹三氏

参照:オリコン

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