2015年6月22日月曜日

「労働紛争」の現代事情…相談件数1位は「いじめ」、「解雇」上回る

 福井労働局がまとめた2014年度個別労働関係紛争解決制度の運用状況によると、受け付けた「民事上の個別労働関係紛争に関する相談」は1708件で、前年度より587件減った。相談件数の内訳では「いじめ・嫌がらせ」が前年度に引き続き最も多く、相談全体に占める割合は22・7%に上っている。

  「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は、13年度に初めて「解雇」を上回ってトップになった。14年度の件数は、全体の相談件数が過去最多だった13年度を下回ったものの割合では4・3ポイント増加した。

 福井労働局が当事者間に入って解決を促す「助言・指導」は132件の申し出を受け付け、内訳は「いじめ・嫌がらせ」が31件で最多。続いて有給休暇を取得しやすい職場環境づくりなど「その他の労働条件」が25件、「解雇」が23件だった。

 弁護士や社会保険労務士らでつくる紛争調整委員会が解決を図る「あっせん」は27件の申請を受理。内訳は「解雇」14件、「いじめ・嫌がらせ」7件などだった。

 助言・指導を行った具体例では「再雇用後の具体的な労働条件の提示」「上司から怒鳴られたり、腕をつかまれたりするなどの嫌がらせを受けたことによる職場環境の改善」を求める相談があった。あっせんでは「身に覚えのない理由での解雇による、精神的・経済的損害に対する補償」「上司から『会社のお荷物』と言われるなどパワーハラスメントを受けた精神的苦痛に対する慰謝料」を事業主に求めた事例があった。

 福井労働局と福井、武生、敦賀、大野の各労基署で受けた相談をまとめた。全ての労働問題に関する「総合労働相談」は5862件で、前年度比11・3%減となった。

参照:福井新聞社

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