2015年2月9日月曜日

裁判員経験者8割「心の負担感じた」 初の調査

 元最高裁判事や裁判員経験者らで作る「裁判員経験者ネットワーク」が、裁判員を務めたことに伴う精神的負担について調べたアンケートで、回答者の約8割が「心の負担を感じた」ことが7日、同ネットワークの中間集計で分かった。

  裁判員の精神的負担に特化した調査は初めて。負担をめぐっては元裁判員が、殺害現場の写真を見るなどしたため急性ストレス障害になったとして国家賠償請求訴訟を起こすなど、ケアのあり方が議論となっていた。

 調査では、心の負担の有無▽負担を感じた理由▽負担を感じた時期-など19項目を質問。1月末までに、平成21~24年に裁判員や補充裁判員を務めた30人から回答が寄せられた。

 負担を強く感じた理由で最も多かったのは「人の運命を決めてしまうことへの心の重さ」だった。また、負担を感じた時期は、(1)審理中(2)審理前(3)審理直後(4)しばらくたってから-の順だった。

 同ネットワーク共同代表世話人の牧野茂弁護士は「残酷な証拠の扱いに焦点があたりがちだが、人を裁くこと自体が負担となる人も多い。経験者が体験を共有し『みんなで出した結論』と受け止めることが負担解消に効果的だ」と分析している。

 調査は15日まで実施しており、参加方法は同ネットワークのホームページで紹介している。

参照:産経新聞