2015年1月19日月曜日

<投稿動画>犯罪助長も 専門家「相応な罰で啓発を」

 東京都内のスーパーで菓子容器につまようじを突き刺す様子を撮影した動画などが相次いでインターネットに投稿された問題で、警視庁少年事件課は18日、都内のコンビニエンスストアに不法侵入したとして建造物侵入容疑で全国指名手配していた三鷹市の無職少年(19)を逮捕した。少年は同日朝、滋賀県のJR米原(まいばら)駅に停車中の東海道線車内で同県警の捜査員に確保され、新幹線で移送された。容疑を認め、「少年法を改正するため(コンビニに)入ったことは間違いない」と供述しているという。


 「○○(少年の名前)君だな」

 東京から約300キロの滋賀県・米原駅。18日午前7時半ごろ、停車中の車両の座席に座っていた少年は、県警の捜査員の問いかけに黙ってうなずいたという。スマートフォンを所持しており、逃亡中もこのスマホから動画を投稿していたとみられる。約1時間半前、名古屋から京都方面に向かう電車内に似た人物がいるとの情報が寄せられていた。

 菓子容器につまようじを刺したり万引きをしたりしているような動画は投稿直後からネット上で話題に。長崎県で17日、無職少年(17)がスーパーの菓子につまようじを刺したとして偽計業務妨害容疑で逮捕された事件で、同少年が撮影したとみられる動画がサイトに投稿されるなど、模倣犯とみられる現象まで生んだ。

 法政大の越智啓太教授(犯罪心理学)は「(三鷹の)少年は、ネガティブな方向でも自分の存在価値を確認したかったのだろう。最大限の注目を浴びるためには過激な内容が必要だった」とみる。

 投稿動画が犯罪を助長したケースは過去にもある。昨年10月、遊び仲間の胸を圧迫して気絶させる「失神ゲーム」を繰り返したとして逮捕された中学生らは「ネットの動画で知った」と供述。同月に自動販売機の釣り銭取り出し口を燃やして釣り銭を盗もうとしたとして逮捕された高校生らも「ユーチューブで手口を見た」などと説明した。

 いずれの事件でも警視庁はユーチューブを運営するグーグル日本法人に削除を求め、同社は応じた。犯罪行為を含む有害な動画の投稿を内規で規制し、違反する場合は削除や、アカウント停止などの対策を取っている。しかし別サイトへの拡散は防げず、一度掲載された動画を完全に消すのは難しい。

 ネットに詳しい元東京地検検事の落合洋司弁護士は「犯罪行為などを撮影した投稿動画を削除するかはサイトごとにポリシーがあり対応は分かれる。根絶は難しく、相応な罰を与えて啓発するしかない」と語る。

参照:毎日新聞

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