2014年10月20日月曜日

「領収書」売買で月5万円を稼ぐ不良社員“秘密の副業”

1人の出入り業者によって持ち出された個人情報により、200億円もの損害を被ったベネッセコーポレーションを引き合いに出すまでもなく、いつの世にも、どんな組織にも不良社員は存在する。個人情報や企業情報の漏洩、商品の横流し、収賄にキックバック……その手口はさまざまだ。サラリーマンとして越えてはいけないラインを軽々とまたぐ“脱法社員”の生態に迫った!

◆領収書の売買で月に5万円を地道に稼ぐ

 某大手出版社で女性誌を担当する編集者の川崎肇氏(仮名・37歳)には、秘密の副業がある。

「編集の仕事って、取材費名目で会社に経費を請求しやすいんですよ。そうなると、架空請求をして、小遣いをつくろうとする輩も出てくる。僕の顧客はそうした不届きな会社員たちです」

 現在の顧客は出版社、広告代理店、印刷会社などの社員30人ほど。

「全員知り合い。どこからバレるかわからないので、新規の客は取っていません」

 具体的な手口はこうだ。

「領収書を売る“バイ”と、白紙領収書などに宛名や金額を記入する“書き子”です」

 “バイ”の金額は、金額入りの領収書で1枚2000円、白紙で3000円。“書き子”は、1枚記入して500円だという。

 “バイ”に使う領収書はどのように集めているのか。

「常連の個人経営の店の主人にいくらか渡して、領収書一冊丸ごと買ったり、あとは、客からの買い取りです。金額は一律1枚1000円です」

 地道な副業だが、月に最低でも5万~6万円の収入になるという。

【出版社 社員】

大手出版社勤務、独身。最初は仲間内で領収書の回し合いをしていたが「これは小銭になる」と思い、副業化。客から領収書を買い取り、それを転売して利ざやを稼ぐ。宛名、金額記入専門の「書き子」も数人抱える

<中村得郎弁護士の見解>

会社に対する詐欺罪の共同正犯が成立します。私文書の偽造罪にも該当しそうですが、偽造罪は領収書そのものを作成した場合に成立するのでこのケースでは該当しません。補足ですが、金額を書き換えた場合には変造罪が成立する可能性があります

<推定される判決>

懲役1年/執行猶予3年

【中村得郎弁護士】

東京新宿法律事務所代表。労働問題、遺言、相続、離婚など、個人の法律問題を主に取り扱う。http://www.shinjuku-law.jp/

※推定される量刑はあくまでも目安であり、その他の情状事実によって大きく異なります。

参照:週刊SPA!

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