2014年6月16日月曜日

「高額手数料が障害」4割 弁護士調査 民事訴訟「利用伸びぬ一因」

 民事訴訟で「高額な手数料が提訴の障害となった」と感じている弁護士の割合が約38%に上ることが、東京の3弁護士会が行った初の調査で分かった。提訴を断念したケースもあり、専門家は「諸外国と比べて高すぎる手数料が、民事訴訟の利用が伸びない一因となっている」と指摘する。

  調査は東京、第一東京、第二東京弁護士会が実施。4月末時点の中間集計を、20日に東京都内で開かれるシンポジウムで公表する。

 調査で、過去3年間に手数料が高額であることが提訴の障害になったことがあるかを尋ねたところ、回答を寄せた753人のうち、約34%にあたる258人が「たまにある」と回答。「よくある」と答えた人も29人(約4%)に上った。最終的に提訴したかも質問。提訴を断念したことが「よくある」との回答が7人、「たまにある」は122人だった。依頼者が借り入れをして提訴したケースもあった。

 現行法は訴額に応じて提訴手数料が増額されるスライド制を採用。訴額100億円の場合は手数料だけで1602万円となる計算で、控訴は1・5倍、上告は2倍の手数料がかかる。平成22年の日本弁護士連合会の立法提言によると米連邦地裁の手数料は350ドル(約3万5700円)の一定額。英高等法院は、金銭支払いを求める訴訟は上限が1530ポンド(約26万5千円)のスライド制だ。

 経済団体や学識経験者で作る「民事司法を利用しやすくする懇談会」は昨年10月に「提訴手数料が高すぎる」とする最終報告書をまとめた。懇談会事務局長を務めた小林元治(もとじ)弁護士は「青天井で上がる手数料が提訴の足かせになっている面がある。上限を設けるなど抜本的見直しが必要」としている。

参照:産経新聞

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