2014年5月1日木曜日

<取り調べ可視化>全過程で義務付け 対象は2案併記

 取り調べの録音・録画(可視化)の制度化などを検討している法制審議会(法相の諮問機関)の「新時代の刑事司法制度特別部会」が30日開かれ、過去25回の議論を基に法務省がまとめた「試案」が提示された。可視化対象事件で容疑者が逮捕・勾留された場合(身柄事件)は、原則として取り調べの全過程を可視化するよう義務付ける内容で、法整備に向けた最終段階の議論のたたき台となる。


 対象事件については委員の意見が対立しており▽裁判員裁判で審理される事件は検察官と警察官による取り調べの全過程を可視化する(A案)▽それ以外にも、すべての身柄事件で検察の取り調べだけを可視化する(B案)--の2案が示された。この日の部会でも主張に隔たりがあり、部会は法務省に試案改定を検討するよう求めた。

 試案は、裁判で供述調書の任意性が争われた場合には、該当する取り調べの録音・録画記録を検察官が証拠として出すよう義務付けた。全過程可視化が原則だが▽容疑者が拒否して十分な供述を得られない▽容疑者らに危害が及ぶ恐れがある▽指定暴力団構成員が関わっている--ような場合は例外とするとした。

 この他、現在は薬物や銃器犯罪などに限られていた通信傍受の対象を組織的な詐欺や窃盗などに拡大することが盛り込まれた。贈収賄や詐欺、薬物事件などを対象に、容疑者や被告が他人の事件の捜査に協力すれば有利な扱いを受けられる「協議・合意制度」(司法取引)も創設するとしている。

参照:毎日新聞

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