2014年1月31日金曜日

クルマ並みの金額も…知っておきたい自転車事故「損害賠償」

 イタリアやフランス、アメリカなどのレースタイプの自転車を街でよく見かけるようになった。自転車ブームが定着し、通勤に使う人も少なくない。妻や子供がママチャリを使っている家庭も多いだろう。

 身近に自転車がある人にとって注目の判決が出た。東京地裁は、3年前に自転車で女性(当時75)をはねて死亡させた男性会社員(46)に4746万円の支払いを命じたのだ。弁護士の広瀬めぐみ氏が言う。

 「自転車で歩行者を死傷させた人に高額の賠償を命じる判決が相次いでいます。自転車事故でも、自動車事故並みの損害賠償を覚悟すべきです」

■子どもが人をはねたら親の責任

 今回のケースは、女性は青信号で横断歩道を渡っていて、自転車で右側から交差点に進入した信号は赤だった。はねられた女性は頭を強打して病院に搬送され、5日後に死亡したという。裁判では事故と死亡との因果関係が争われたが、三木素子裁判長は「女性は、会社員の信号無視による事故で死亡した」と認定した。歩行者に落ち度はなく当然の判決だが、たとえ落ち度があっても、歩行者の過失を軽くし、自転車側の過失をより重く見る傾向は強い。

「たとえば、兵庫の小学5年の男児が自転車で坂道を下っていて、ぶつかった女性を意識不明にさせた裁判では、女性に前方不注意がありました。裁判で、男児の母親側もその点を主張しましたが、地裁はその主張を退け、『母親の指導や注意が不十分』と指摘。母親側の責任を認め、9520万円の支払い(損保会社の支払い分も含む)を命じています。歩道で自転車と歩行者がぶつかると、過失割合は100対ゼロで、自転車側が全面的に責任を負うことが原則なのです」(広瀬氏)

 兵庫のケースのように子供が事故を起こすと、親の責任が問われる。子供には、ムチャな運転をしないよう、日ごろからよく注意しておいた方がいい。

参照:日刊ゲンダイ

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