2012年12月28日金曜日

弁護士が今年最も印象に残った法律関連ニュースTOP5

オーセンスグループ株式会社(所在地:東京都港区、代表:元榮 太一郎)は、5,000名を超える弁護士が登録する日本最大級の法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」が調査した『2012年に弁護士が最も印象に残った法律関連ニュースTOP5』を発表した。

■『2012年に弁護士が最も印象に残った法律関連ニュースTOP5』

1位 俳優高嶋政伸さん、美元さん元夫妻の離婚裁判
2位 東電OL殺人事件、再審無罪判決
3位 遠隔操作ウイルス感染PCから犯行予告・誤認逮捕されていた事件
同3位 違法ダウンロード、刑事罰導入が可決
5位 一票の格差が是正されないまま衆議院選挙実施

【各ニュースを選択した理由】

◆1位 俳優高嶋政伸さん、美元さん元夫妻の離婚裁判
2012年11月9日、俳優の高嶋政伸さんと妻でモデルの美元さんの離婚裁判について東京家庭裁判所で判決が言い渡され、東京家裁は高嶋さん側の請求を認め、2人の離婚を認める判決が下された。有名人の離婚劇として世間を騒がせた裁判ですが、弁護士業界では、過去の判例を覆す異例の判決が出た裁判として注目を集め、『2012年に弁護士が最も印象に残った法律関連ニュース』において堂々の1位を獲得した。
≪この事件に対する弁護士のコメント例≫
・離婚事件についての社会的関心が高まったため。
・夫の横暴として、民法770条の継続しがたい理由とはならないと判断していたが、離婚が認められたということは、今後他の事例でも破綻認定がし易くなると思われるから。
・さしたる離婚原因がある事案とも思えず、実質的な婚姻関係破綻を認定したのであろうが、これまでの裁判例からすると認定が緩いという気がした。

◆2位 東電OL殺人事件で再審無罪判決
1997年3月に東京電力の従業員だった女性が都内のアパートで殺害された事件で、有罪判決が出て服役していたネパール人男性が、長期間に渡る裁判を経て2012年11月7日に無罪となった。
≪この事件に対する弁護士のコメント例≫
・冤罪が明らかとなり、警察・検察という国家権力が有罪獲得を目的に不利な証拠を隠すことの怖さを改めて感じた事件だったため。有罪率99.9%というのは異常な数字であり,審理の結果無罪判決が出ても検察の失点とはとらえない発想の転換が必要だと思う。
・知っている弁護士が関わっており,長年の努力が報われた瞬間だったから。
・えん罪の怖さを、改めて実感した。

◆3位 遠隔操作ウイルスに感染したパソコンから犯行予告があり、男子学生が誤認逮捕されていた事件
横浜市のホームページに小学校への襲撃予告が書き込まれ、男子大学生が威力業務妨害容疑で神奈川県警に逮捕された事件で、その後真犯人を名乗る者から犯行声明が出されたことで、この男子大学生の逮捕は誤認逮捕であったことが明らかになった。 
≪この事件に対する弁護士のコメント例≫
・警察,検察の捜査態様の問題点が浮き彫りになったため(警察は,自白の強要をしていないのか。検察は,警察の取調等の捜査をちゃんとチェックしたのかなど)。
・検察官の捜査の杜撰さを公のものとしたから。
・弁護人付添人が就いていながら少年の否認主張が曲げられた点が弁護過誤。

◆3位 違法ダウンロードについて刑事罰を導入する著作権法改正案が可決された件
2012年6月20日、「違法ダウンロード」と呼ばれる違法にアップロードされた音楽ファイルなどをダウンロードする行為について、刑事罰を導入する著作権法改正案が可決された。 
≪この事件に対する弁護士のコメント例≫
・インターネット文化に対し極めて大きな抑制力をもたらすため。 ・安易に刑事罰を課す形をとった問題ある改正だという印象のため。また、実際にどのように運用していくのか、果たしてフェアな運用が可能なのか、といった疑問があるため。
・過度に表現行為を委縮させる法律が施行されるとは思っていなかったため。

◆5位 一票の格差が是正されないまま衆議院選挙が行われた件
最高裁から違憲状態と指摘されている「一票の格差」について、2012年12月、人口比例に基づかない区割りで「一票の格差」を是正しないまま衆議院議員選挙が行われた。2011年3月に最高裁判所は、最大格差が2.30倍だった2009年の衆議院選挙を違憲状態と判断していましたが、今回の衆議院選挙では格差が約2.43倍まで拡大する結果となった。
≪この事件に対する弁護士のコメント例≫
・消費税増税等、国民に負担を強いる政治家が自らのことについて、憲法違反のことですら是正できない不甲斐なさにあきれた。
・判決で言及があったにも関わらず是正ないまま選挙が実施され、今年の訴訟で違憲判決が予想されるため。
・次の国会で是正が期待されるから。

参照:@DIME

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