2012年10月15日月曜日

あなたの名前の検索は大丈夫? 実は恐ろしい『サジェスト機能』

 ある有名司会者の名前をグーグルで検索すると、自動的に「かつら」という言葉が関連語として最初に表示される。

「これは『サジェスト機能』といい、過去に多くの人が検索した単語を自動的にリストアップして検索を助けてくれる機能。『かつら』などは序の口で、自分の名前と心当たりのない犯罪がらみのキーワードが一緒に表示される人もいます」(ITジャーナリスト・海老原昭さん)

 インターネット問題に詳しい紀藤正樹弁護士の話。

「先日、ある男性が『サジェスト機能』の誤った表示によりプライバシーを侵害されたと、グーグル本社に対し表示差し止めを求めました。東京地裁はそれを認めましたが、グーグルは『単語を羅列しているだけで、プライバシー侵害には当たらない』と削除を拒否しています」

 なにもこれは特殊なケースではないという。

「好ましくない情報がサジェストされた学生が就職活動で門前払いにされたり、女性が、婚約を破棄される問題も起きています」(マルチメディア評論家・倉田吉昭さん)

 情報が明らかに間違っている場合はどうすればいいのか。

「現行法ではグーグルのような検索エンジンに削除を命じるのは難しいですが、掲示板やホームページなどの誤った情報でプライバシーが侵害されている場合は、『プロバイダ責任制限法3条』の規定で削除依頼が可能です。『サジェスト機能』は掲示板やホームページなどから情報を入手しているので、こうしてコツコツ削除していくしかない」(前出・紀藤弁護士)

 が、『2ちゃんねる』のように管理者が曖昧で、削除依頼に対応しない掲示板も多い。

 自衛方法はあるのか。

「情報がなければ検索対象になりませんから、可能な限り個人情報をネット上に流さないこと。あまり深く考えずに実名で写真や情報をアップしてしまうフェイスブックやツイッターの扱いには注意が必要」(前出・海老原さん)

 同様の問題が多発しているEUではこんな動きが。

「『忘れられる権利』、つまりネット上に拡散してしまった自分にとって不都合な写真や情報を削除してもらえる権利が法制化される見通しです」(前出・倉田さん)

参照:週刊文春

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